リキュールの作り方|原料・製法・香味付けまで初心者にもわかりやすく解説

シスやカンパリ、カルーア、アマレットなど、リキュールにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる味わいや香りを楽しめます。では、こうした多彩なリキュールは、どのようにして作られているのでしょうか。
リキュールはすべて同じ方法で作られているわけではありません。一般的には、蒸留酒などをベースに、果実・ハーブ・スパイス・ナッツなどの原料から香りや味わいを取り込み、甘味などを加えて仕上げられます。香味を取り込む方法にも、原料をアルコールに漬け込む「浸漬法」や、蒸留を利用する方法などがあり、製品によって使われる原料や製法はさまざまです。
この記事では、リキュールの原料、基本的な製造工程、香味を付ける代表的な方法、種類による作り方の違いを、初めて学ぶ方にもわかりやすく解説します。リキュールが何からできていて、多彩な香りや味わいがどのように生まれるのかを見ていきましょう。
リキュールの特徴や定義など、基本から知りたい方は、「リキュールとは?原料・種類・楽しみ方・カクテルの基本を解説」もあわせてご覧ください。
リキュールはどうやって作られる?
リキュールは一般的に、ベースとなる酒類に果実やハーブ、スパイスなどの香味原料から香りや風味を取り込み、砂糖などで甘味を加えて仕上げられるお酒です。
ただし、使われる原料や製造方法は製品によって異なります。果実やハーブなどをアルコールに漬け込んで香味を抽出するものもあれば、蒸留によって香りを取り込むもの、複数の方法を組み合わせて造られるものもあります。
リキュールができるまでの基本的な流れを、簡単に見てみましょう。
リキュールができるまでの基本イメージ
🥃 ベースとなる酒類
ニュートラルスピリッツやブランデー、ラムなど、製品に合わせた酒類をベースにする
↓
🌿 香味原料から香りや風味を取り込む
果実やハーブ、スパイスなどから香りや味わいの成分を取り込む
↓
🍬 甘味などを加える
砂糖やシロップなどを加え、甘味や味わいのバランスを整える
↓
⚖️ 味わいやアルコール度数などを調整する
製品が目指す香りや甘味、アルコール度数などに仕上げる
↓
🍾 ろ過・瓶詰め
必要に応じてろ過などを行い、状態を整えて瓶詰めする
このように、リキュール作りは「ベースとなる酒類に香味を取り込み、甘味などを加えて仕上げる」という流れで考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、すべてのリキュールがこの順序や工程で造られるわけではありません。使用する原料や製品によって工程は異なり、複数の方法を組み合わせる場合もあります。
なかでもリキュールの個性を左右する重要なポイントの一つが、果実やハーブなどの香りや風味を、どのような方法で取り込むかという点です。ここから、原料や製造工程について詳しく見ていきましょう。
リキュールの主な原料

リキュールには、ベースとなる酒類に加えて、果実やハーブ、スパイスなどの香味原料、砂糖などの甘味原料が使われます。
どのような原料を使い、どのように組み合わせるかは製品によって異なります。さらに、同じような原料を使っていても、香味を取り込む方法や配合などによって、仕上がる香りや味わいは変わります。
ここでは、リキュール作りに使われる主な原料を見ていきましょう。
ベースとなるお酒
リキュール作りでは、果実やハーブなどの香味を取り込む土台として、さまざまな酒類が使われます。
代表的なのが、比較的クセの少ないニュートラルスピリッツです。ベース自体の香りや味わいが強くないため、果実やハーブ、スパイスなどの香味を生かしやすいという特徴があります。
一方、製品によってはブランデーやラム、ウイスキーなど、それ自体に特徴的な香りや味わいを持つ酒類が使われることもあります。この場合は、ベースとなる酒類の風味と香味原料の個性を組み合わせて、製品独自の味わいに仕上げていきます。
このように、リキュールは特定の一種類のお酒だけをベースとして造られるものではありません。どのような酒類を土台にするかも、完成するリキュールの個性を生み出す要素の一つです。
果実・ハーブ・スパイスなどの香味原料
リキュールの香りや味わいを特徴づける重要な材料が、香味原料です。
使われる素材は非常に幅広く、代表的なものには次のようなものがあります。
- 果実・果皮:カシス、オレンジ、レモン、ピーチなど
- ハーブ・香草:さまざまな植物の葉や香草など
- スパイス:シナモン、クローブなど
- 花:エルダーフラワーなど
- ナッツ・種子など:ナッツ類や植物の種子、核など
- コーヒー:コーヒー由来の香ばしさや苦味
- カカオ:カカオ由来の香りやコク
一つの素材を中心に香味を組み立てるものもあれば、複数のハーブやスパイスなどを組み合わせ、複雑な香りや味わいに仕上げるものもあります。
こうした香味原料は、そのまま加えるとは限りません。アルコールに浸漬して成分を抽出したり、蒸留によって香りを取り出したりするなど、製品に合わせた方法で香味を取り込んでいきます。
リキュールを香味原料によってどのように分類できるのか詳しく知りたい方は、リキュールの種類を解説|果実系・香草系などの分類と特徴もあわせてご覧ください。
砂糖などの甘味原料
リキュール作りでは、砂糖やシロップなどの甘味原料が使われます。
甘味を加えることで、製品が目指す甘さやコクをつくるとともに、果実の酸味やハーブの苦味、アルコール感などとのバランスを整えていきます。
ただし、リキュールによって甘味の強さはさまざまです。濃厚な甘味を感じるものもあれば、苦味やハーブの風味などが前面に感じられるものもあります。
また、使用される甘味原料や加えるタイミング、量なども製品によって異なります。ベースとなる酒類、香味原料、甘味原料をどのように組み合わせるかが、リキュールの仕上がりを左右する重要なポイントです。
リキュールの基本的な製造工程
リキュールは、使用する原料や製法によって作り方が異なります。一般的には、ベースとなる酒類に果実やハーブなどの香味を取り込み、甘味やアルコール度数などを調整して仕上げるという流れで考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、香味を取り込む方法や甘味を加えるタイミング、熟成・貯蔵の有無などは製品によって異なります。ここでは、リキュールができるまでの代表的な流れを5つの工程に分けて紹介します。
① ベースとなるお酒を用意する
まず、リキュールの土台となる酒類を用意します。
ニュートラルスピリッツをはじめ、製品によってはブランデーやラム、ウイスキーなど、さまざまな酒類がベースとして使われます。
比較的クセの少ない酒類は果実やハーブなどの香味を生かしやすく、特徴のある酒類を使えば、ベースそのものの風味と香味原料を組み合わせた味わいに仕上げることができます。
どのような酒類をベースにするかも、完成するリキュールの個性を左右する要素の一つです。
② 原料から香りや味を取り出す

次に、果実や果皮、ハーブ、スパイス、ナッツ、コーヒーなどの香味原料から、香りや味わいの成分を取り込みます。
例えば、香味原料をアルコールに漬け込んで成分を抽出する方法や、蒸留を利用して香りを取り出す方法などがあります。
ただし、香味を取り込む方法は一つではありません。使用する原料や目指す仕上がりによって方法は異なり、一つの製品で複数の方法を組み合わせる場合もあります。
この工程はリキュールの香りや味わいを生み出す重要なポイントです。代表的な方法については、次の「リキュールに香りや味を付ける代表的な製法」で詳しく解説します。
③ 甘味などを加える
香味を取り込んだ原酒などに、砂糖やシロップなどを加えて味わいを整えます。
甘味を加えることで、製品が目指す甘さやコクをつくるだけでなく、果実の酸味やハーブの苦味、アルコール感などとのバランスも調整していきます。
使用する甘味原料や量、加えるタイミングなどは製品によって異なるため、同じような香味原料を使ったリキュールでも、甘さや口当たりには違いが生まれます。
④ 味わい・香り・アルコール度数を調整する
香味や甘味を加えた後は、水やその他の原料などを使いながら、香り・甘味・アルコール度数などのバランスを整え、製品が目指す味わいに仕上げていきます。
どの段階で何を加えるか、どのように味わいを調整するかは製品によってさまざまです。また、一定期間なじませたり、熟成・貯蔵の工程を取り入れたりする製品もあります。
そのため、すべてのリキュールが同じ工程や順序で造られるわけではありません。使用する原料や製法に合わせて、それぞれの製品に適した方法で仕上げられます。
⑤ ろ過・瓶詰め
味わいを整えた後は、製品に応じてろ過などを行い、状態を整えます。
その後、必要な品質確認などを経て瓶詰めされ、製品として完成します。
このようにリキュールは、
ベースとなる酒類を用意する
↓
香味原料から香りや味わいを取り込む
↓
甘味などを加える
↓
味わいやアルコール度数などを調整する
↓
ろ過・瓶詰め
という流れで考えると、基本的な作り方を理解しやすくなります。
ただし、これはあくまで代表的な流れです。実際の工程や順序は製品によって異なります。
なかでもリキュールの個性に大きく関わるのが、「香味原料からどのように香りや味わいを取り込むか」という工程です。続いて、リキュール作りで使われる代表的な香味付けの方法を見ていきましょう。
リキュールに香りや味を付ける代表的な製法
リキュール作りで重要なポイントの一つが、果実やハーブ、スパイスなどの香りや味わいを、どのような方法でお酒に取り込むかです。
代表的な方法として、香味原料をアルコールに漬け込んで成分を抽出する方法や、蒸留によって香りを取り出す方法、香料やエッセンスなどを利用する方法があります。
ただし、リキュールの製造方法は製品によって異なります。必ずしも一つの方法だけで造られるわけではなく、複数の方法を組み合わせて香味をつくり上げる製品もあります。
浸漬法
浸漬法は、果実や果皮、ハーブ、スパイスなどの香味原料をアルコールに漬け込み、香りや味わいの成分を抽出する方法です。
身近な例では、果実をお酒に漬けて風味を取り込む梅酒をイメージすると、基本的な考え方を理解しやすいでしょう。
ただし、市販されるリキュールでは、使用する原料やその処理方法、アルコールの濃度、浸漬する期間などが製品ごとに異なります。そのため、家庭で梅酒などを漬ける工程とまったく同じという意味ではありません。
アルコールに原料を浸すことで、香りだけでなく、味わいや色などさまざまな成分を取り込めるのが特徴です。
蒸留法
蒸留を利用する方法では、香味原料をアルコールとともに蒸留するなどして、原料由来の香りを取り出します。
蒸留は、アルコールなどを含む液体を加熱して生じた蒸気を冷却し、再び液体として取り出す工程です。この過程を利用することで、原料に含まれる揮発しやすい香りの成分を取り込み、香りを生かした原酒などを造ることができます。
原料をアルコールに漬けて成分を抽出する浸漬法に対して、蒸留を利用する方法では、蒸留を通して香りの成分を取り出すという違いがあります。
ただし、実際の蒸留方法や使用する原料は製品によって異なります。
エッセンスや香料などを利用する方法
リキュールには、あらかじめ抽出・調製されたエッセンスや香料などを利用して、ベースとなるお酒に香味を加える方法もあります。
原料そのものをアルコールに浸漬したり蒸留したりする方法とは異なり、エッセンスや香料などを組み合わせながら、製品が目指す香りや味わいに仕上げていきます。
どのような香味素材を使用するのか、どの段階で加えるのか、ほかの製法と組み合わせるのかなどは製品によって異なります。
そのため、「エッセンス法」という一つの固定された工程として考えるよりも、リキュールに香味を加える方法の一つとして理解するとよいでしょう。
複数の方法を組み合わせることもある
ここまで代表的な方法を紹介しましたが、リキュールを「浸漬法で造るもの」「蒸留法で造るもの」と単純に分類できるわけではありません。
例えば、ある香味原料はアルコールに浸漬して成分を抽出し、別の原料は蒸留によって香りを取り出すなど、複数の方法で得られた香味を組み合わせて仕上げる場合もあります。
また、商品のレシピや使用する原料、詳しい抽出方法などがすべて公開されているとは限りません。
そのため、リキュールの製法は、「浸漬や蒸留、エッセンス・香料の利用など、香味を取り込むさまざまな方法があり、製品によって単独または組み合わせて用いられる」と理解しておくとよいでしょう。
こうした香味の取り込み方と原料の組み合わせによって、リキュールの多彩な香りや味わいが生み出されています。
リキュールの種類によって作り方はどう違う?
リキュールは、使われる香味原料によって香りや味わいが異なり、原料の特徴に合わせて香味を取り込む方法や仕上げ方も変わります。
ただし、「果実系なら必ず浸漬法」「香草・薬草系なら必ず蒸留法」というように、種類ごとに製法が決まっているわけではありません。同じ種類に分類されるリキュールでも、製品によって原料の使い方や製造方法は異なります。
ここでは、代表的な種類ごとに、原料がどのように使われるのかを見ていきましょう。
果実系リキュール
果実系リキュールは、カシスやオレンジ、ピーチなど、果実由来の香りや味わいを生かして造られるリキュールです。
使用する果実によって、果肉や果汁、果皮などさまざまな部分が利用されます。例えば柑橘類では、果皮に含まれる香りを生かして造られるものもあります。
果実や果皮をアルコールに浸漬して香味成分を抽出したり、果汁を利用したり、蒸留を取り入れたりと、香味を取り込む方法は製品によってさまざまです。
こうして得られた果実由来の香味に甘味などを加え、必要に応じてアルコール度数や味わいを調整して仕上げられます。
香草・薬草系リキュール
香草・薬草系リキュールは、ハーブや薬草、スパイス、植物の根や果皮など、さまざまな植物素材を使って造られるリキュールです。
複数の植物素材を組み合わせる製品もあり、爽やかな香りを持つものから、苦味やスパイシーさ、複雑な香味を特徴とするものまであります。
香味を取り込む方法には、植物素材をアルコールに浸漬する方法や、蒸留を利用する方法などがあります。また、複数の方法で得られた香味を組み合わせて仕上げる場合もあります。
カンパリやシャルトリューズなどがよく知られていますが、使用する原料や詳しい製造工程のすべてが公開されているとは限りません。そのため、個別商品の製法を一律に説明せず、製品ごとに確認することが大切です。
ナッツ・種子系リキュール
ナッツ・種子系リキュールは、ナッツや植物の種子、核などに由来する香ばしい香りやコクのある風味を生かして造られるリキュールです。
原料から香味を取り込み、ベースとなる酒類や甘味などと組み合わせながら、製品が目指す味わいに仕上げていきます。香味を取り込む方法は製品によって異なります。
代表的なものとして、アマレットやフランジェリコなどが知られています。
なお、アマレットはアーモンドのリキュールとして紹介されることもありますが、製品によっては杏仁などが香味原料として使われています。同じ種類に分類されるリキュールでも、実際に使用される原料は商品ごとに異なる点に注意しましょう。
コーヒー・カカオなどを使ったリキュール
リキュールには、コーヒーやカカオなどの特徴的な香りや味わいを生かしたものもあります。
コーヒーリキュールでは、コーヒー由来の香りや苦味などを取り込み、ベースとなる酒類や甘味などと組み合わせて仕上げます。カルーアなどが代表的です。
カカオを使ったリキュールもあり、原料由来の香りやコクを生かしながら製品独自の味わいに仕上げられます。
こうしたリキュールも、原料の処理方法や香味の取り込み方は製品によって異なります。
クリーム系などのリキュール
リキュールには果実やハーブなどの香味を抽出するものだけでなく、クリームなどを使用したリキュールもあります。
クリーム系では、ベースとなる酒類にクリームなどを組み合わせ、まろやかな口当たりと濃厚な味わいに仕上げます。
果実やハーブから香味を抽出するタイプとは使用する原料や製造工程が異なるため、すべてのリキュールを「香味原料を浸漬・蒸留して造るもの」と考えることはできません。
このように、リキュールは種類によって、「どのような原料を使うのか」「どのように香味を取り込むのか」「どのように味わいを整えるのか」が異なります。
ただし、種類だけで製法が決まるわけではありません。同じ果実系や香草・薬草系でも製品によって作り方は異なり、こうした原料と製法の組み合わせが、多彩なリキュールの個性を生み出しています。
果実系、香草・薬草系、ナッツ・種子系など、それぞれの分類や特徴について詳しく知りたい方は、リキュールの種類を解説|果実系・香草系などの分類と特徴もあわせてご覧ください。
リキュールと蒸留酒・醸造酒の作り方の違い
リキュールの作り方を理解するには、醸造酒や蒸留酒との違いを知っておくとわかりやすくなります。
一般的に、醸造酒は原料を発酵させて造り、蒸留酒は発酵によってできたアルコールを含む液体をさらに蒸留して造ります。一方、リキュールは酒類などをベースに、果実やハーブ、スパイスなどの香味や甘味などを加えて仕上げるのが特徴です。
| 種類 | 基本的な作り方 | 代表例 |
|---|---|---|
| 醸造酒 | 原料を発酵させて造る | ビール・ワイン・日本酒など |
| 蒸留酒 | 発酵によってできた液体を蒸留して造る | ウイスキー・ウォッカ・ラムなど |
| リキュール | 酒類などをベースに香味や甘味などを加えて仕上げる | カシスリキュール・カンパリ・カルーアなど |
リキュールで押さえておきたいのは、ベースとなる酒類を造る工程と、その酒類などを使ってリキュールとして仕上げる工程は分けて考えられるという点です。
例えば、蒸留酒をベースに使用するリキュールであっても、そのことだけで「リキュール=蒸留酒」という意味にはなりません。ベースとなる酒類にさまざまな素材から香味を取り込み、甘味などを加えて調整することで、リキュールとして仕上げられます。
一般的なお酒の分類では、リキュールは醸造酒や蒸留酒に果実や香草、糖類などを加えて造る**「混成酒」**の一つとして紹介されることがあります。一方、日本の酒税法では「リキュール」が独立した品目として定義されているため、一般的な分類と法律上の分類は分けて考えるとわかりやすいでしょう。
蒸留酒の造り方や仕組みについて詳しく知りたい方は蒸留酒とは?種類や醸造酒との違いを初心者向けに解説、リキュールそのものの定義や特徴についてはリキュールとは?原料・種類・楽しみ方・カクテルの基本を解説もあわせてご覧ください。
リキュールの作り方に関するFAQ
リキュールの原料や製造方法について、初心者の方が疑問に感じやすいポイントをまとめました。
リキュールは何から作られていますか?
リキュールは一般的に、ベースとなる酒類に、果実やハーブ、スパイスなどの香味原料を組み合わせ、砂糖などで甘味を加えて造られます。
ベースにはニュートラルスピリッツのほか、ブランデーやラム、ウイスキーなどが使われることもあります。また、香味原料には果実や果皮、ハーブ、スパイス、ナッツ、コーヒー、カカオなどさまざまな素材が使われます。
どのような酒類や香味原料を使い、どのように組み合わせるかによって、リキュールの香りや味わいに違いが生まれます。
リキュールは蒸留酒ですか?
リキュールを単純に「蒸留酒」と考えるのは適切ではありません。
蒸留酒をベースとして造られるリキュールは多くありますが、一般的な分類では、リキュールは酒類に果実やハーブなどの香味や糖類などを加えて造る「混成酒」の一つとして紹介されることがあります。
一方、日本の酒税法では「リキュール」が独立した品目として定義されています。
そのため、蒸留酒をベースにしている製品であっても、「リキュール=蒸留酒」という意味ではないと理解しておくとよいでしょう。
リキュールはすべて同じ方法で作られますか?
いいえ。リキュールの製造方法は、使用する原料や製品によって異なります。
果実やハーブなどをアルコールに漬け込んで香味を抽出する方法、蒸留によって香りを取り出す方法、エッセンスや香料などを利用する方法などがあります。
また、一つの方法だけで造られるとは限らず、複数の方法で得られた香味を組み合わせて仕上げる製品もあります。
そのため、「リキュールはこの方法で造る」と一つの製法に決めることはできません。
リキュールの甘さはどこから生まれますか?
リキュールの甘味には、砂糖やシロップなどの甘味原料が関係しています。
甘味を加えることで製品が目指す甘さやコクをつくるほか、果実の酸味やハーブの苦味、アルコール感などとのバランスを整えていきます。
使用する甘味原料や量などは製品によって異なるため、甘く濃厚なものから、苦味やハーブの風味が前面に感じられるものまで、リキュールによって甘さの感じ方には違いがあります。
果実系と香草・薬草系では作り方が違いますか?
使用する原料が異なるため、香味を取り込む方法や仕上げ方が異なる場合があります。
果実系では果実や果汁、果皮などを利用し、香草・薬草系ではハーブや薬草、スパイスなど複数の植物素材を組み合わせる製品もあります。
ただし、「果実系なら浸漬」「香草・薬草系なら蒸留」というように、種類によって製法が決まっているわけではありません。浸漬や蒸留など、どのような方法を用いるかは製品によって異なり、複数の方法を組み合わせる場合もあります。
果実系や香草・薬草系、ナッツ・種子系など、それぞれの分類や特徴について詳しく知りたい方は、リキュールの種類を解説|果実系・香草系などの分類と特徴もあわせてご覧ください。
まとめ
リキュールは、ベースとなる酒類に果実やハーブ、スパイスなどの香味を取り込み、甘味などを加えて仕上げるお酒です。
基本的な製造の流れは、次のように考えるとわかりやすいでしょう。
ベースとなる酒類
↓
香味原料から香りや味わいを取り込む
↓
甘味などを加える
↓
味わいやアルコール度数などを調整する
↓
ろ過・瓶詰めなどを経て製品化する
ただし、これはあくまで代表的な流れで、すべてのリキュールが同じ工程や順序で造られるわけではありません。
香味を取り込む方法にも、果実やハーブなどをアルコールに漬け込む浸漬、蒸留によって香りを取り出す方法、エッセンスや香料などを利用する方法があり、製品によっては複数の方法が組み合わせられます。
また、果実、ハーブ、スパイス、ナッツ、コーヒー、カカオなど、使用される香味原料もさまざまです。どのような原料を使い、どのような方法で香味を取り込むかによって、多彩なリキュールの個性が生み出されています。
リキュールの作り方を知ることで、普段飲んでいるリキュールについても、使われている原料や香りの生まれ方に注目しながら楽しめるでしょう。
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