ビールの作り方をわかりやすく解説|原料・発酵・熟成まで製造工程を詳しく紹介

ビールは世界中で親しまれているお酒ですが、「どのように造られているの?」「麦やホップがどのようにビールになるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母というシンプルな原料から造られます。しかし、その美味しさの裏には、製麦や仕込み、発酵、熟成など、いくつもの製造工程と醸造技術があります。また、発酵方法や原料の違いによって、ラガーやエール、クラフトビールなど、それぞれ異なる個性を持つビールが生まれます。
この記事では、ビールの原料から製造工程までを初心者にもわかりやすく解説します。発酵の仕組みやラガーとエールの違い、ビールの味わいが変わる理由についても紹介するので、ビールをもっと深く楽しみたい方はぜひ参考にしてください。
ビールとは?
ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母を主な原料として造られる醸造酒です。
麦芽に含まれるでんぷんを糖に変え、その糖を酵母が発酵させることで、アルコールや炭酸、さまざまな香味成分が生まれます。
ビール造りでは、原料の種類や配合だけでなく、麦汁の造り方、使用する酵母、発酵や熟成などの条件によっても、香りや苦味、コクなどに違いが生まれます。
ビールの基本
ビール造りの大きなポイントは、麦芽のでんぷんを酵母が利用できる糖に変えてから発酵させることです。
まず、麦芽をお湯と混ぜる「糖化」によって、麦芽に含まれるでんぷんを糖へ分解し、ビールのもととなる麦汁を造ります。
その後、ホップを加えて煮沸し、冷却した麦汁に酵母を加えて発酵させます。酵母が麦汁に含まれる糖を利用することで、主にアルコールと二酸化炭素が生成されます。
さらに熟成などの工程を経て味わいや香りを整え、ビールが完成します。
ビールの原料
ビール造りで使われる基本的な原料は、麦芽・ホップ・水・酵母の4つです。
それぞれが異なる役割を持ち、種類や組み合わせによってビールの香りや苦味、色、コクなどが変わります。
麦芽
麦芽(モルト)は、ビールの味わいや色の土台となる重要な原料です。
一般的には大麦を発芽させた後、乾燥させて造られます。麦芽には、仕込みの際にでんぷんを糖へ分解するために働く酵素が含まれています。
使用する麦芽の種類や乾燥・焙燥などの条件によって、ビールの色や香り、コクなどが変化します。さらに、濃色麦芽や焙煎した原料などを組み合わせることで、濃い褐色や黒色のビールも造られます。
ホップ
ホップは、ビールに苦味や香りを与える植物です。
麦汁を煮沸する際などに加えられ、ホップに含まれる成分によってビール特有の苦味が生まれます。
また、品種や使用方法によって、柑橘類やハーブ、トロピカルフルーツなどを思わせるさまざまな香りを与えることがあります。
ホップにはビールの保存性に関わる働きもあり、味わいだけでなくビール造りにおいて重要な役割を担っています。
水
水は、ビールの大部分を占める重要な原料です。
水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分やpHなどは、仕込みや発酵、ビールの味わいに影響します。
ただし、単純に「硬水ならキレが強く、軟水ならまろやかになる」と決まるわけではありません。水の成分と使用する麦芽やホップ、ビアスタイルなどの組み合わせによって、仕上がりは変わります。
ブルワリーでは、造りたいビールに合わせて水質を調整することもあります。
酵母
酵母は、麦汁に含まれる糖を利用して発酵を行う微生物です。
発酵によって主にアルコールと二酸化炭素を生み出すほか、エステルなどの香味成分も生成するため、ビールの香りや味わいを左右する重要な存在です。
使用する酵母や発酵条件によっても仕上がりは変わり、ラガーとエールの違いにも酵母や発酵方法が大きく関係しています。
💡 サケセンワンポイント
ビールの味わいは、原料だけでなく製造工程によっても変わります。
同じ麦芽・ホップ・水・酵母を基本原料としていても、原料の種類や配合、糖化、ホップを加えるタイミング、使用する酵母、発酵・熟成の条件などによって、香りや苦味、コク、色などに違いが生まれます。
ビールの作り方を知ると、それぞれの工程が味わいにどのように関係しているのかも理解しやすくなります。
ビールの定義や特徴、アルコール度数などについてさらに詳しく知りたい方は、「ビールとは?」の記事もあわせてご覧ください。
ビールの製造工程一覧
ビールは、原料となる麦芽を作る「製麦」から始まり、仕込み、発酵、熟成などの工程を経て造られます。
ビール造りの基本は、麦芽のでんぷんを糖へ変え、その糖を酵母によって発酵させることです。その過程でホップによる苦味や香りが加わり、発酵や熟成を通してビールらしい味わいが整えられていきます。
ここでは、一般的なビールの製造工程を一覧で見てみましょう。

| 工程 | 内容 |
|---|---|
| ① 製麦 | 大麦を発芽させた後に乾燥させ、ビールの原料となる麦芽を作る |
| ② 仕込み | 麦芽を糖化して麦汁を作り、ろ過した後、ホップを加えて煮沸する |
| ③ 発酵 | 冷却した麦汁に酵母を加え、糖からアルコールや二酸化炭素などを生成する |
| ④ 熟成 | 発酵後のビールを一定期間熟成させ、香りや味わいを整える |
| ⑤ ろ過・熱処理など | 必要に応じてろ過や熱処理などを行い、製品としての品質を整える |
| ⑥ 充填 | ビールを缶・瓶・樽などの容器に詰め、製品として仕上げる |
基本的な流れをまとめると、
「製麦 → 仕込み(糖化・ろ過・煮沸)→ 発酵 → 熟成 → ろ過・熱処理など → 充填」
となります。
ただし、すべてのビールがまったく同じ工程で造られるわけではありません。ビアスタイルやブルワリー、商品によって、使用する原料や発酵・熟成の方法、ろ過や熱処理を行うかどうかなどは異なります。
次の章では、ビールがどのように造られるのか、製麦から充填までの製造工程を順番に詳しく解説します。
ビールの作り方(製造工程)
ビール造りは、大麦から麦芽を作る「製麦」から始まり、仕込み、発酵、熟成などの工程を経て完成します。
基本的なポイントは、麦芽に含まれるでんぷんを糖へ変え、その糖を酵母によって発酵させることです。さらに、ホップを加えることで苦味や香りを与え、発酵・熟成などを通してビールの味わいを整えていきます。
ここからは、ビールがどのように造られるのか、基本的な製造工程を順番に見ていきましょう。
① 製麦
ビール造りは、大麦などの穀物から麦芽(モルト)を作る「製麦」から始まります。
一般的な大麦麦芽の場合、まず大麦を水に浸して水分を吸収させる浸漬(しんせき)を行います。
その後、適切な温度や湿度のもとで発芽させます。発芽の過程では、後の仕込みで麦芽のでんぷんなどを分解するために必要な酵素が生成・活性化されていきます。
適度に発芽したところで、熱風などを使った焙燥(ばいそう)によって乾燥させ、発芽を止めます。
麦芽の種類や焙燥などの条件によって、色や香り、風味が変化するため、製麦は完成するビールの味わいを左右する重要な工程です。
② 仕込み
仕込みでは、麦芽からビールのもととなる麦汁(ばくじゅう)を作ります。
まず麦芽を適度な大きさに粉砕し、お湯と混ぜます。この工程が糖化です。
糖化では、麦芽に含まれる酵素の働きによって、でんぷんが酵母の利用できる糖などへ分解されます。
糖化が終わったら、麦芽の穀皮などの固形物と液体を分ける麦汁ろ過を行います。
その後、得られた麦汁にホップを加えて煮沸します。煮沸によって麦汁を殺菌するとともに、ホップに含まれる成分からビール特有の苦味を引き出します。また、ホップを加えるタイミングや方法によって、香りの現れ方も変わります。
煮沸を終えた麦汁は、発酵に適した温度まで冷却して次の工程へ進みます。
③ 発酵
冷却した麦汁に酵母を加えると、発酵が始まります。
酵母は麦汁に含まれる糖を利用し、主にアルコールと二酸化炭素を生成します。同時にさまざまな香味成分も生み出すため、発酵はビールの香りや味わいを決める重要な工程です。
ビールの発酵は、使用する酵母や発酵方法などによって、大きくラガー(下面発酵)とエール(上面発酵)に分けられます。
一般的にラガーは、下面発酵酵母を使い、エールより比較的低い温度で発酵させます。すっきりとした味わいに仕上がるスタイルが多く、日本でもラガー系のビールが広く親しまれています。
一方、エールは上面発酵酵母を使い、ラガーより比較的高い温度で発酵させるのが一般的です。酵母由来の香りを感じられるものも多く、ペールエールやIPA、スタウトなどさまざまなビアスタイルがあります。
ただし、ラガー=必ずすっきり、エール=必ずフルーティーというわけではありません。使用する酵母や原料、発酵条件、ビアスタイルなどによって仕上がりは異なります。
④ 熟成
発酵を終えたビールは、必要な期間をかけて熟成させます。
熟成では、発酵後のビールを適切な条件で保持することで、香りや味わいを整え、ビールとしてのバランスを仕上げていきます。
熟成の温度や期間は、ビアスタイルや製法によって異なります。特にラガーでは、発酵後に低温で貯蔵・熟成させる工程が重要になります。
一方、すべてのビールを同じ温度・期間で熟成させるわけではありません。ブルワリーやビアスタイルによって熟成方法は異なり、こうした違いも完成するビールの個性につながります。
⑤ ろ過・熱処理など
熟成後は、商品や製法に応じてろ過や熱処理などを行います。
ろ過は、ビールに残っている酵母や微細な固形物などを取り除き、透明度や品質を整えるために行われます。ただし、すべてのビールがろ過されるわけではなく、酵母などを残した無ろ過の商品もあります。
また、保存性や品質を安定させるために熱処理を行う場合もあります。
日本では、熱処理を行っていないビールを「生ビール」または「ドラフトビール」と表示できます。そのため、生ビールかどうかは缶・瓶・樽といった容器の違いではなく、熱処理の有無によるものです。
なお、「生ビール」と「無ろ過」は同じ意味ではありません。熱処理をしていない生ビールでも、ろ過されている商品はあります。
⑥ 充填
最後に、完成したビールを缶・瓶・樽などの容器へ充填します。
ビールは酸素の影響を受けると香味が変化しやすいため、充填工程では酸素との接触をできるだけ抑えながら、衛生的に容器へ詰めることが重要です。
その後、必要な品質検査などを経て製品として出荷され、私たちのもとへ届けられます。
このように、ビールは単に原料を混ぜて発酵させるだけではなく、製麦 → 仕込み → 発酵 → 熟成 → 仕上げ → 充填という複数の工程を経て造られています。
原料だけでなく、糖化の条件やホップを加える方法、使用する酵母、発酵・熟成などの違いが組み合わさることで、さまざまな香りや味わいを持つビールが生まれます。
ビールの味が変わる理由

同じビールでも、すっきりと軽快なものから、フルーティーな香りを楽しめるもの、香ばしく濃厚なコクを持つものまで、味わいはさまざまです。
こうした違いは、麦芽・ホップ・酵母などの原料だけでなく、糖化やホップの使い方、発酵・熟成などの製造条件が組み合わさることで生まれます。
ここでは、ビールの味わいや香りを左右する代表的な要素を見ていきましょう。
麦芽
麦芽は、ビールの色やコク、香ばしさ、甘みなどの土台となる原料です。
使用する麦芽の種類や組み合わせによって、淡い黄金色から褐色、黒色までさまざまな色のビールが造られます。
また、淡色麦芽を中心に使えば軽やかな風味に仕上がりやすく、濃色麦芽や焙煎した原料などを使うことで、パンやカラメル、コーヒー、チョコレートを思わせる香ばしい風味を感じるビールもあります。
ホップ
ホップは、ビールの苦味や香りを左右する重要な原料です。
使用する品種によって、柑橘類やハーブ、花、トロピカルフルーツなどを思わせるさまざまな香りを与えることがあります。
さらに、ホップは品種だけでなく、使用する量や加えるタイミング、方法によっても仕上がりが変わります。
たとえばIPAには、ホップの苦味や香りを特徴とするスタイルが多く、ホップの個性を比較しながら楽しむこともできます。
酵母
酵母は、麦汁に含まれる糖を利用して発酵を行い、主にアルコールと二酸化炭素を生み出します。
さらに発酵中には、エステルをはじめとするさまざまな香味成分も生成されるため、使用する酵母によってビールの香りや味わいにも違いが生まれます。
果実を思わせる香りが現れやすいものもあれば、酵母由来の香りを比較的抑え、麦芽やホップの特徴を感じやすく仕上げるものもあります。
発酵方法・発酵条件
ビールの味わいを左右するもう一つの重要な要素が、発酵方法や発酵条件です。
一般的に、ラガーは下面発酵酵母を使い、エールより比較的低い温度で発酵させます。すっきりとした味わいに仕上がるスタイルが多いのが特徴です。
一方、エールは上面発酵酵母を使い、ラガーより比較的高い温度で発酵させるのが一般的です。酵母由来の華やかな香りを感じられるスタイルも多くあります。
ただし、「ラガー=すっきり」「エール=フルーティー」と一概に決まるわけではありません。酵母の種類や発酵温度、原料、熟成方法などによっても仕上がりは変化します。
🏆 編集部おすすめ
ビールを飲み比べるときは、麦芽・ホップ・酵母・発酵方法に注目してみましょう。
たとえば、ホップの香りを楽しめるIPA、酵母由来の香りを感じやすいエール、すっきりとしたタイプのラガーなどを飲み比べると、原料や製法による違いを感じやすくなります。
ビールの種類によって作り方は違う?
ビールの基本的な製造工程は、多くの場合、麦芽から麦汁を作り、酵母によって発酵させ、熟成などを経て仕上げるという流れです。
ただし、すべてのビールが同じ条件で造られるわけではありません。使用する酵母や原料、発酵温度、熟成方法などによって、製造方法や完成するビールの香り・味わいは変わります。
特に代表的なのが、ラガーとエールの違いです。
ラガーとエールは、主に使用する酵母や発酵方法などが異なります。一方、クラフトビールはラガーやエールのような発酵方法による分類ではなく、クラフトビールの中にもラガーとエールの両方があります。
| 分類 | 主な酵母・発酵方法 | 発酵温度の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ラガー | 下面発酵酵母 | エールより比較的低温 | すっきりとした味わいのスタイルが多い |
| エール | 上面発酵酵母 | ラガーより比較的高温 | 酵母由来の香りを感じられるスタイルも多い |
ラガービールの作り方
ラガービールは、一般的に下面発酵酵母を使い、エールより比較的低い温度で発酵させます。
発酵後には低温で貯蔵・熟成させる工程を設けることが多く、酵母由来の香りが比較的穏やかで、すっきりとした味わいに仕上がるスタイルが多くあります。
ピルスナーやヘレス、デュンケル、ボックなどもラガーに分類され、同じラガーでも原料や製法によって色や香り、コク、アルコール度数などはさまざまです。
そのため、ラガー=淡色ですっきりしたビールだけを指すわけではありません。
エールビールの作り方
エールビールは、一般的に上面発酵酵母を使い、ラガーより比較的高い温度で発酵させます。
使用する酵母や発酵条件によっては、果実やスパイスなどを思わせる香りが生まれることもあり、酵母由来の香りを特徴とするビアスタイルもあります。
ペールエールやIPA、スタウトなど、さまざまなビアスタイルがエールに分類されます。
ただし、エールだから必ずフルーティーで濃厚になるわけではありません。使用する麦芽やホップ、酵母、発酵条件などによって、軽快なものから濃厚なものまで幅広い味わいがあります。
クラフトビールの作り方
クラフトビールには、「クラフトビール専用の作り方」があるわけではありません。
クラフトビールは、ラガーやエールのように酵母や発酵方法によって分類されるビールの種類ではなく、一般的には造り手の個性やこだわりを生かして造られるビールを指す言葉です。
そのため、クラフトビールの中には、下面発酵で造られるラガーもあれば、上面発酵で造られるエールもあります。
また、麦芽やホップの種類・配合を工夫したり、副原料を使用したり、ホップの投入方法や熟成方法を変えたりするなど、ブルワリーや商品によってさまざまな造り方が採用されています。
つまり、ラガーとエールは主に酵母や発酵方法などによる分類であり、クラフトビールは別の分類軸として考えると分かりやすいでしょう。
ビールの分類や代表的なビアスタイルについてさらに詳しく知りたい方は、「ビールの種類」の記事もあわせてご覧ください。
クラフトビールの意味や普通のビール・地ビールとの違いについては、「クラフトビールとは?」の記事で詳しく解説しています。
ビールのおすすめの飲み方

ビールは、温度やグラス、注ぎ方によって香りや味わいの感じ方が変わります。
すっきりとしたラガー、ホップの香りを楽しむIPA、コクのあるスタウトなど、ビアスタイルによって特徴が異なるため、それぞれの個性に合った飲み方を意識すると、ビールをより楽しめます。
温度
ビールを楽しむ温度は、ビアスタイルや商品の特徴によって異なります。
一般的に、すっきりとした味わいのラガーなどは比較的低い温度で飲むと、爽快感やキレを感じやすくなります。
一方、香りやコクを特徴とするエールなどは、冷やしすぎないことで麦芽やホップ、酵母由来の香りを感じやすくなる場合があります。
ただし、「ラガーなら何℃、エールなら何℃」と一律に決まるわけではありません。同じエールやラガーでもビアスタイルによって適した温度は異なるため、商品に推奨温度が記載されている場合は参考にするとよいでしょう。
グラス
ビールはグラスに注ぐことで、香りや色、泡なども含めて楽しめます。
すっきりとしたビールには細長いグラス、香りを楽しみたいビールには飲み口がすぼまったチューリップ型など、ビアスタイルに合わせてさまざまな形状のグラスが使われています。
グラスの形によって香りの感じ方や泡の立ち方なども変わるため、ビールに合わせてグラスを選ぶのも楽しみ方の一つです。
泡
ビールの泡は、見た目だけでなく香りや口当たりにも関係しています。
きめ細かな泡ができることで、ビールならではのなめらかな口当たりを楽しめるほか、ビールの表面を覆うことで香りや炭酸の変化を緩やかにする働きもあります。
日本では「ビール7:泡3」が注ぎ方の目安として紹介されることもありますが、すべてのビールに共通する決まりではありません。
泡をしっかり作るビールもあれば、泡を控えめにして香りや炭酸を楽しむスタイルもあるため、ビールの特徴や好みに合わせて調整するとよいでしょう。
注ぎ方
ビールは注ぎ方によって、泡立ちや炭酸の感じ方が変わります。
ある程度勢いをつけて注ぐと泡が立ちやすくなり、炭酸の刺激が穏やかに感じられることがあります。一方、グラスを傾けて静かに注ぐと泡立ちを抑えやすく、炭酸を保ちやすくなります。
どちらが正解というわけではなく、ビールの種類や好みに合わせて注ぎ方を変えるのも楽しみ方の一つです。
ビールの適温やグラスの選び方、注ぎ方などについてさらに詳しく知りたい方は、「ビールの飲み方」の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. ビールは何から作られていますか?
ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母を主な原料として造られます。
麦芽はビールの色やコクなどの土台となり、ホップは苦味や香り、水はビールの大部分を占める重要な原料です。そして酵母は、麦汁に含まれる糖を利用して発酵を行い、主にアルコールと二酸化炭素を生み出します。
これらの原料の種類や配合、製造方法の違いによって、さまざまな香りや味わいのビールが造られます。
Q. ビールはどのように作られますか?
ビールは基本的に、製麦 → 仕込み → 発酵 → 熟成 → 仕上げ → 充填という流れで造られます。
仕込みでは、麦芽に含まれるでんぷんを酵素の働きによって糖へ分解して麦汁を作り、ホップを加えて煮沸します。
その後、冷却した麦汁に酵母を加えて発酵させ、熟成などを経て味わいを整えます。商品によっては、ろ過や熱処理などを行った後、缶・瓶・樽などへ充填して完成です。
Q. ビールはどうやってアルコールができますか?
ビールのアルコールは、酵母による発酵によって生まれます。
まず、仕込みの糖化工程で麦芽に含まれるでんぷんを糖へ分解します。その後、酵母が麦汁に含まれる糖を利用して発酵を行い、主にアルコールと二酸化炭素を生成します。
この発酵では香味成分も生み出されるため、酵母の種類や発酵条件はビールの香りや味わいにも大きく関係しています。
Q. ラガーとエールは何が違いますか?
ラガーとエールは、主に使用する酵母や発酵方法が異なります。
一般的に、ラガーは下面発酵酵母を使い、エールより比較的低い温度で発酵させます。一方、エールは上面発酵酵母を使い、ラガーより比較的高い温度で発酵させます。
ラガーにはすっきりとしたタイプが多く、エールには酵母由来の香りを感じられるタイプも多くありますが、実際の味わいはビアスタイルや原料、製法によってさまざまです。
Q. 生ビールは普通のビールと何が違いますか?
日本で「生ビール」または「ドラフトビール」と表示されるのは、熱処理を行っていないビールです。
そのため、生ビールかどうかは缶・瓶・樽といった容器によって決まるものではありません。缶ビールや瓶ビールでも、熱処理をしていなければ生ビールに該当します。
また、「生ビール=無ろ過」ではありません。熱処理をしていない生ビールでも、ろ過されている商品はあります。
Q. クラフトビールは作り方が違いますか?
クラフトビールに、クラフトビール専用の製造方法があるわけではありません。
クラフトビールは、ラガーやエールのように発酵方法によって分類されるものではなく、一般的には造り手の個性やこだわりを生かして造られるビールを指す言葉です。
そのため、クラフトビールの中にもラガーやエールがあり、基本的な製造工程は他のビールと共通しています。
一方で、麦芽やホップ、酵母、副原料の選び方、ホップの使い方、発酵・熟成方法などを工夫し、ブルワリーや商品ごとの個性を表現したビールも数多く造られています。
まとめ
ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母を主な原料として造られる醸造酒です。
基本的な製造工程は、
「製麦 → 仕込み → 発酵 → 熟成 → 仕上げ → 充填」
という流れで進みます。
製麦で大麦から麦芽を作り、仕込みでは麦芽のでんぷんを糖へ分解して麦汁を作ります。そこへホップを加えて煮沸し、冷却した麦汁に酵母を加えて発酵させることで、主にアルコールと二酸化炭素が生まれます。
その後、熟成によって香りや味わいを整え、商品によってはろ過や熱処理などを行い、缶・瓶・樽などへ充填して完成です。
また、同じ基本工程で造られるビールでも、麦芽やホップの種類・配合、使用する酵母、糖化、発酵・熟成などの条件によって、色や香り、苦味、コクなどは大きく変わります。
ラガーとエールも、主に使用する酵母や発酵方法などの違いによって異なる特徴が生まれます。一方、クラフトビールは特定の発酵方法やビアスタイルを指すものではなく、ラガータイプもエールタイプもあります。
ビールの製造工程を知ると、普段飲んでいるビールの香りや味わいが「どの原料や工程から生まれているのか」にも注目できるようになります。
ぜひビールを選ぶときには、ビアスタイルだけでなく、使用されている麦芽やホップ、酵母、製法などにも注目して、それぞれの違いを楽しんでみてください。
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