酒税法とは?お酒(酒類)の定義・分類・品目をわかりやすく解説

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日本では、お酒(酒類)の定義や分類が酒税法によって定められています。普段何気なく「お酒」と呼んでいる日本酒やビール、焼酎、ウイスキーなども、酒税法では一定の基準に基づいて分類されています。

では、酒税法では「酒類」とはどのように定義され、どのような種類や品目に分けられているのでしょうか。

この記事では、酒税法におけるお酒(酒類)の定義をはじめ、酒類の分類や品目についてわかりやすく解説します。あわせて、お酒の定義や分類が時代によってどのように変化してきたのかについても紹介します。

酒税法におけるお酒(酒類)の定義

日本では、お酒(酒類)の定義が酒税法によって定められています。

酒税法では、酒類について「アルコール分1度以上の飲料」と定めています。ここでいう「1度」は、一般的な表示ではアルコール分1%に相当します。

ただし、単純にアルコール分が1%以上含まれていれば、すべてが酒税法上の酒類になるわけではありません。水などを加えてアルコール分1度以上の飲料にできるものや、溶解して飲料にできる粉末状のものも対象に含まれる一方、アルコール事業法の適用を受けるものや、一定のアルコール含有医薬品・医薬部外品などは除外されます。

つまり、日本の酒税法における「酒類」とは、基本的にはアルコール分1度以上の飲料などを対象とした法律上の区分です。

また、酒税法では酒類を、製法や性状などに応じて「発泡性酒類」「醸造酒類」「蒸留酒類」「混成酒類」の4種類に分類し、さらに17品目に区分しています。

この4種類と17品目については、このあと詳しく見ていきましょう。

お酒の定義は国によって違う?

お酒(アルコール飲料)の定義や基準は、世界共通ではありません。国や地域によって法律や制度が異なり、酒税、販売・提供、食品表示など、制度の目的によってアルコール飲料を扱う基準が異なる場合があります。

日本では、酒税法によって原則としてアルコール分1度以上の飲料が「酒類」と定められています。

一方、海外では日本と異なる基準が設けられていることがあります。ただし、「アルコール分○%以上ならお酒」という一つの基準だけで各国を単純に比較することはできません。

例えばEUでは、食品表示に関する規則で、アルコール分が1.2%を超える飲料について実際のアルコール度数を表示することが定められています。しかし、この1.2%という数字は「アルコール飲料とは何か」を一律に定義するための基準ではありません。

また、EUの関税分類では、アルコール分が0.5%以下の飲料を「ノンアルコール飲料」として扱うなど、同じ地域でも制度によって異なる基準が使われています。

このように、お酒の定義やアルコール度数に関する基準は、国や地域だけでなく、酒税・販売・表示など法律や制度の目的によっても異なります。

そのため、海外のお酒に関する制度を見るときは、アルコール度数の数字だけを比較するのではなく、「どの法律で、何を目的とした基準なのか」を確認することが大切です。

酒税法はいつからある?日本の酒税の歴史

日本では、古くからお酒に対して税が課されてきました。国税庁の資料によると、600年以上前の室町時代には、すでに営業免許税のような形で酒に対する税が課されていたとされています。

現在につながる酒税制度が整備されていったのは明治時代です。明治4年(1871年)には酒造や課税に関する規則が制定され、その後、明治29年(1896年)には「酒造税法」が制定されました。

さらに昭和15年(1940年)には「酒税法」が制定され、戦後の昭和28年(1953年)に全文改正されて、現在につながる酒税法が確立されました。

酒税法はその後も、お酒を取り巻く環境や税制の変化などに合わせて改正されています。酒類の分類も一定ではなく、時代によって変化してきました。

例えば、昭和28年の酒税法では酒類が9種類に分類されていましたが、その後の改正によって分類は見直されています。平成18年(2006年)の改正では、それまでの10種類から「発泡性酒類」「醸造酒類」「蒸留酒類」「混成酒類」の4種類に整理され、現在はさらに17品目に区分されています。

このように、現在の酒税法は1953年に制定されたものですが、日本のお酒に対する課税の歴史はそれよりもはるかに古く、社会や酒類市場、税制の変化に合わせて制度が整えられてきました。

酒税法によるお酒の種類

日本の酒税法では、酒類をその性質や製法などに応じて、「発泡性酒類」「醸造酒類」「蒸留酒類」「混成酒類」の4種類に分類しています。

それぞれの分類には、ビールや清酒、ウイスキー、リキュールなどの品目が含まれています。

酒税法上の分類主な品目
発泡性酒類ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類
醸造酒類清酒、果実酒、その他の醸造酒
蒸留酒類連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ
混成酒類合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒

この4分類は、酒税法上の分類です。

一方、お酒の造り方をわかりやすく整理する場合には、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」という製法による分類がよく使われます。名前は似ていますが、酒税法上の「醸造酒類・蒸留酒類・混成酒類」と、一般的な製法による「醸造酒・蒸留酒・混成酒」は、必ずしも同じ範囲を指すわけではありません。

例えば、ビールは製法から見ると発酵によって造られる醸造酒ですが、酒税法上では「醸造酒類」ではなく「発泡性酒類」に分類されます。

💡 サケセンワンポイント|法律上の分類と製法による分類は別

「醸造酒類」と「醸造酒」は名前がよく似ていますが、分類する目的が異なります。酒税法では酒税を課すための区分として4種類に分類される一方、製法からお酒を理解する場合には「醸造酒・蒸留酒・混成酒」という分け方が使われます。

製法によるお酒の違いについては、「お酒の種類|醸造酒・蒸留酒・混成酒の違いをわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。

酒税法によるお酒の品目

戦酒税法では、酒類を「発泡性酒類」「醸造酒類」「蒸留酒類」「混成酒類」の4種類に分類し、さらに製法や原料などの基準によって17品目に区分しています。

私たちが普段目にする「清酒」「ビール」「ウイスキー」「ブランデー」「リキュール」などは、この品目にあたります。

品目定義・特徴の概要
清酒米、米こうじ、水などを原料として発酵させ、こしたものなど、酒税法上の要件を満たす酒類
合成清酒アルコールやしょうちゅう、清酒などに糖類などを加えて製造し、清酒に類似させた酒類
連続式蒸留焼酎アルコール含有物を連続式蒸留機で蒸留し、酒税法上の要件を満たす酒類
単式蒸留焼酎アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機で蒸留し、酒税法上の要件を満たす酒類
みりん米や米こうじに、しょうちゅうやアルコールなどを加えて製造し、酒税法上の要件を満たす酒類
ビール麦芽、ホップ、水などを原料として発酵させ、酒税法上の要件を満たす酒類
果実酒果実などを原料として発酵させ、酒税法上の要件を満たす酒類
甘味果実酒果実酒に糖類やブランデーなどを加えるなどして造られる酒類
ウイスキー発芽させた穀類などを使用して糖化・発酵させたアルコール含有物を蒸留するなど、酒税法上の要件を満たす酒類
ブランデー果実などを原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留するなど、酒税法上の要件を満たす酒類
原料用アルコールアルコール含有物を蒸留して造られる、酒税法上の要件を満たす高アルコール度数の酒類
発泡酒麦芽や麦などを原料の一部として発酵させた酒類など、酒税法上の発泡酒の要件を満たすもの
その他の醸造酒穀類や糖類などを原料として発酵させた酒類のうち、清酒や果実酒など他の品目に該当せず、一定の要件を満たすもの
スピリッツ清酒、ウイスキーなど他の品目に該当しない酒類のうち、酒税法上の要件を満たすもの
リキュール酒類と糖類などを原料として造られ、一定のエキス分を持つなど、酒税法上の要件を満たす酒類
粉末酒水などに溶かすことでアルコール分1度以上の飲料にできる粉末状の酒類
雑酒他の酒税法上の品目に該当しない酒類

このように、普段は同じ「お酒」として扱っている飲み物でも、酒税法では原料や製造方法、アルコール分、エキス分などの基準によって品目が細かく定められています。

また、日常的に使われるお酒の名称と、酒税法上の品目が必ずしもそのまま一致するとは限りません。例えば、商品の特徴や製法によっては、一般的な呼び方から想像する品目とは異なる区分になる場合もあります。

💡 サケセンワンポイント|「種類」と「品目」の違い

現在の酒税法では、酒類をまず4種類に分類し、その中をさらに17品目に区分しています。例えば「蒸留酒類」は4種類のうちの一つで、その中に「ウイスキー」「ブランデー」「スピリッツ」などの品目があります。

なお、それぞれの品目には原料や製法、アルコール分などについて細かな要件が定められています。ここでは全体像をつかみやすいように概要を紹介しています。

まとめ

日本では、お酒(酒類)の定義や分類が酒税法によって定められています。酒税法では、原則としてアルコール分1度以上の飲料を酒類とし、現在は「発泡性酒類」「醸造酒類」「蒸留酒類」「混成酒類」の4種類、さらに17品目に区分しています。

日本における酒税の歴史は古く、現在につながる酒税法が整備された後も、社会や酒類市場、税制の変化などに応じて制度や分類が見直されてきました。また、お酒に関する法律やアルコール度数の基準は国や地域、制度の目的によって異なるため、海外と比較する場合は、それぞれの法律が何を対象としているのかを確認することが大切です。

なお、**酒税法上の分類と、一般的な製法によるお酒の分類は必ずしも同じではありません。**例えばビールは製法から見ると醸造酒ですが、酒税法上では「発泡性酒類」に分類されます。

お酒そのものの基本的な仕組みについて知りたい方は「お酒とは?」、製法による醸造酒・蒸留酒・混成酒の違いを知りたい方は「お酒の種類」もあわせてご覧ください。

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