クラフトビールとは?普通のビール・地ビールとの違いや種類をわかりやすく解説

近年、スーパーやコンビニ、飲食店などで「クラフトビール」を見かける機会が増えています。しかし、「普通のビールと何が違うの?」「地ビールとは同じもの?」「クラフトビールは苦い?」など、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
クラフトビールには、日本で統一された法的な定義があるわけではありません。一般的には、造り手の個性やこだわりを生かして造られるビールを指す言葉として使われており、小規模・独立系のブルワリーが手がける商品も多くあります。
また、クラフトビールはIPAやラガーのような特定の「ビアスタイル」を表す名称ではありません。ペールエールやIPA、ヴァイツェン、スタウト、ラガーなど、さまざまなビアスタイルのクラフトビールがあります。
この記事では、クラフトビールとは何かを初心者にもわかりやすく解説し、普通のビールや地ビールとの違い、特徴、代表的な種類、選び方や楽しみ方まで紹介します。
クラフトビールについて基礎から知りたい方や、自分好みの一杯を見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
クラフトビールとは?
クラフトビールとは、一般的に造り手の個性やこだわりを生かして造られるビールを指す言葉として使われています。
小規模・独立系の醸造所(ブルワリー)が手がけるビールを指すことが多いものの、日本では「クラフトビール」について統一された法的な定義があるわけではありません。
そのため、「小規模なブルワリーで造られていればすべてクラフトビール」「この条件を満たせばクラフトビール」と明確に区分できるものではなく、造り手や業界などによって使われ方にも幅があります。
クラフトビールの魅力は、ブルワリーごとの考え方を反映した多彩なビールに出会えることです。ホップや麦芽、酵母などの原料、製法、ビアスタイルの選択によって、さまざまな香りや味わいが生み出されています。
「クラフト」とはどんな意味?
「クラフト(craft)」には、工芸や技能、手仕事といった意味があります。
ビールにおける「クラフト」という言葉も、造り手の技術や発想、こだわりなどをイメージさせる言葉として使われています。
ただし、クラフトビールだから必ず手作業で造られているわけではなく、「クラフト」という言葉だけで具体的な製造方法や生産規模が決まるものでもありません。
クラフトビールを理解するときは、単に「手造りのビール」と考えるよりも、造り手の個性や考え方を反映した多様なビールを表す言葉として捉えるとわかりやすいでしょう。
クラフトビールに明確な定義はある?
日本では、「クラフトビール」という名称について、統一された法的な定義があるわけではありません。
一般的には、小規模・独立系のブルワリーが、原料や製法、味わいなどにこだわって造るビールを指して使われることが多くあります。
一方で、ブルワリーの規模だけでクラフトビールかどうかが決まるわけではありません。現在ではさまざまなメーカーやブルワリーが「クラフト」を掲げた商品を展開しているため、明確な線引きが難しい言葉でもあります。
そのため、「クラフトビール=小規模醸造所が造るビール」とだけ定義しないことが大切です。
クラフトビールはビアスタイルの名前ではない
クラフトビールは、IPAやピルスナー、ヴァイツェンのような特定のビアスタイルを表す名称ではありません。
クラフトビールとして造られているビールには、例えば次のようなさまざまなビアスタイルがあります。
- IPA
- ペールエール
- ヴァイツェン
- スタウト
- ピルスナーなどのラガー
そのため、「クラフトビール=IPA」「クラフトビール=エール」というわけでもありません。ホップの香りや苦味を強く楽しめるものだけでなく、すっきりとしたラガーや、苦味が穏やかなスタイルもあります。
💡 サケセンワンポイント
クラフトビールは「ビールの種類」そのものではありません。
ラガーやエールは発酵方法や使用する酵母などによる分類、IPAやスタウトなどはビアスタイルを表す名称です。一方、クラフトビールは、一般的に造り手の個性やこだわりを生かしたビールを表す言葉として使われています。
そのため、クラフトビールの中にもラガー、ペールエール、IPA、スタウトなど、さまざまなビールがあります。
ビールそのものの原料や製法、基本的な特徴について知りたい方は、「ビールとは?」の記事もあわせてご覧ください。
クラフトビールと普通のビールの違い
クラフトビールと、一般的に大手メーカーが製造・販売するビールは、どちらもビールであり、法律上「クラフトビール」と「普通のビール」という別々の種類に分類されているわけではありません。
クラフトビールには統一された法的な定義がないため、両者を生産量や原料、製法などで明確に区切ることはできません。
そのうえで一般的な傾向を見ると、クラフトビールは比較的小規模なブルワリーの商品も多く、造り手の発想を生かした多彩なビアスタイルや限定商品などが造られています。一方、大手メーカーでは全国へ安定して供給できる定番商品も多く、品質を一定に保ちながら大規模に生産する技術が活用されています。
主な傾向を比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | クラフトビールで見られる傾向 | 大手メーカーのビールで見られる傾向 |
|---|---|---|
| 醸造規模 | 比較的小規模なブルワリーが多い | 大規模な生産設備を持つメーカーが多い |
| 商品展開 | 多彩なスタイルや限定商品なども多い | 全国流通する定番商品も多い |
| ビアスタイル | ラガーからエールまで幅広い | 日本ではラガー系の商品が広く普及 |
| 原料・製法 | 商品ごとにさまざまな原料や製法が用いられる | 商品ごとにさまざまな原料や製法が用いられる |
| 味わい | ブルワリーや商品によってさまざま | メーカーや商品によってさまざま |
醸造規模だけでは区別できない
クラフトビールというと、「小さなブルワリーが少量生産するビール」というイメージを持つ方も多いでしょう。
実際に、小規模・独立系のブルワリーが手がけるクラフトビールは数多くあります。しかし、醸造所の規模だけでクラフトビールかどうかが決まるわけではありません。
クラフトビールには統一された法的な定義がないため、「年間○○リットル以下ならクラフトビール」といった共通の基準が日本に設けられているわけではないからです。
そのため、「クラフトビール=小規模」「普通のビール=大規模」と完全に二分するのではなく、一般的な傾向として理解するとよいでしょう。
味や品質だけで優劣が決まるものではない
クラフトビールと大手メーカーのビールは、どちらか一方が優れているというものではありません。
クラフトビールには、ブルワリーごとの発想を生かした多彩な商品があり、ホップの香りを前面に出したIPAや、麦芽のコクを楽しめるスタウト、すっきりとしたラガーなど、さまざまな味わいを楽しめます。
一方、大手メーカーのビールにも、原料や製法にこだわったさまざまな商品があり、大規模な設備や品質管理によって安定した商品を全国へ届けられる強みがあります。
そのため、「クラフトビールだから個性的で高品質」「大手メーカーのビールだから味わいが単調」といった単純な違いではありません。
クラフトビールと一般的なビールを比較するときは、優劣をつけるのではなく、ブルワリーやメーカー、ビアスタイル、原料、製法などによる違いを楽しむのがおすすめです。れているというわけではなく、安定した飲みやすさを楽しみたいなら一般的なビール、さまざまな香りや味わいを飲み比べたいならクラフトビールがおすすめです。
クラフトビールと地ビールの違い
クラフトビールとよく似た言葉に「地ビール」があります。
現在では同じようなビールを指して使われることもありますが、クラフトビールと地ビールは、厳密に同じ意味と決められているわけではありません。
一般的に「地ビール」は地域との結びつきに注目した呼び方として使われてきたのに対し、「クラフトビール」は造り手の個性やこだわり、多彩なビアスタイルなどに注目して使われることが多い言葉です。
ただし、両者を明確に分ける統一された法的な定義があるわけではなく、実際には地ビールとクラフトビールの両方に当てはまる商品もあります。
| 呼び方 | 一般的なニュアンス | ポイント |
|---|---|---|
| 地ビール | 地域との結びつきを意識したビール | 1990年代以降、日本各地で広まった呼び方 |
| クラフトビール | 造り手の個性やこだわりを意識したビール | 多彩なビアスタイルやブルワリーの個性にも注目される |
| 共通点 | 小規模なブルワリーの商品などで重なることが多い | 両者を明確に分ける統一された法的定義はない |
地ビールが広がった背景
日本で地ビールが広がる大きなきっかけとなったのが、1994年の酒税法改正です。
それまでビールの製造免許を取得するためには、年間最低製造数量として2,000キロリットルが求められていましたが、1994年の規制緩和によって60キロリットルへ引き下げられました。
これによって比較的小規模な事業者でもビール造りに参入しやすくなり、日本各地に地域密着型の醸造所が誕生します。
こうした醸造所が造るビールは「地ビール」と呼ばれ、地域の観光や特産品などと結びつきながら全国へ広がっていきました。
現在のクラフトビールとの関係
その後、日本でも「クラフトビール」という呼び方が広く使われるようになりました。
現在では、単に「その土地で造られたビール」という地域性だけでなく、ブルワリーごとの考え方や原料、製法、ビアスタイルなど、造り手の個性に注目する言葉として「クラフトビール」が使われることが多くなっています。
ただし、「地ビールからクラフトビールへ完全に名称が変わった」というわけではありません。現在でも「地ビール」という言葉は使われており、地域性を生かしながらクラフトビールとして評価されている商品もあります。
そのため、両者の違いを理解するときは、
地ビール=地域とのつながりに注目した呼び方
クラフトビール=造り手の個性やこだわりに注目した呼び方
という一般的な傾向として捉えるとわかりやすいでしょう。
💡 サケセンワンポイント
「地ビール」と「クラフトビール」に明確な境界線があるわけではありません。
地域のブルワリーが、その土地の特色を生かしながら個性的なビールを造っている場合、「地ビール」であり「クラフトビール」でもあると捉えられることがあります。
呼び方だけで区別するのではなく、ブルワリーの考え方やビールの特徴にも注目してみるとよいでしょう。
クラフトビールの特徴

クラフトビールの魅力は、造り手の発想やこだわりを生かした、さまざまなビールに出会えることです。
クラフトビール自体が特定のビアスタイルを表すわけではないため、ホップの香りを楽しめるもの、麦芽のコクを味わえるもの、フルーティーなもの、すっきりとしたものなど、商品によって特徴は大きく異なります。
ここでは、クラフトビールを楽しむうえで注目したい4つの特徴を紹介します。
多彩なビアスタイルを楽しめる
クラフトビールでは、ラガーからエールまでさまざまなビアスタイルが造られています。
例えば、ホップの個性を楽しめるIPAやペールエール、小麦を使ったヴァイツェン、香ばしい風味を持つスタウト、すっきりとしたピルスナーなど、その種類は多彩です。
そのため、「クラフトビール=苦い」というわけではありません。苦味がしっかりしたものから穏やかなもの、フルーティーなもの、麦芽のコクを楽しめるものまで、自分の好みに合わせて選べます。
原料や製法による違いを楽しめる
クラフトビールは、使用する原料や製法による違いに注目して楽しむこともできます。
ビールの基本的な原料である麦芽・ホップ・水・酵母は、それぞれ種類や組み合わせによって香りや味わいが変化します。
さらに、商品によっては果物やスパイス、ハーブなどを使用することもあり、原料を生かした個性的なビールも造られています。
同じビアスタイルでも、使用するホップや麦芽、酵母などが異なれば仕上がりも変わるため、原料や製法に注目して飲み比べてみるのもクラフトビールの楽しみ方の一つです。
ブルワリーごとの個性を楽しめる
クラフトビールでは、ブルワリーごとの考え方や目指す味わいの違いにも注目できます。
同じIPAやペールエールであっても、使用する原料やレシピ、発酵・熟成などによって、香りや苦味、甘味、コク、口当たりはさまざまです。
「このブルワリーのIPAが好き」「このブルワリーのラガーを飲み比べてみたい」といったように、ビアスタイルだけでなく造り手からビールを選べることもクラフトビールの魅力です。
お気に入りのブルワリーを見つけると、季節限定商品や新しいビアスタイルなど、クラフトビールの楽しみ方をさらに広げられます。
地域性を生かしたビールもある
地域ならではの原料や文化を取り入れた商品があることも、クラフトビールの魅力の一つです。
ブルワリーによっては、地域で採れた果物や農産物などを取り入れ、その土地ならではのビール造りに挑戦しています。
ただし、すべてのクラフトビールが地元産の原料を使用しているわけではありません。海外産のホップや麦芽などを使いながら、ブルワリー独自のビールを造っているケースもあります。
そのため、「クラフトビール=地元の原料で造るビール」ではありませんが、地域とのつながりを楽しめる商品もあると理解するとよいでしょう。
旅行先でその土地のブルワリーを訪れたり、地域限定の商品を飲んだりすることも、クラフトビールならではの楽しみ方の一つです。
クラフトビールの代表的な種類
ククラフトビールは、それ自体が特定のビアスタイルを表す名称ではありません。クラフトビールとして造られている商品には、ラガーからエールまでさまざまなビアスタイルがあります。
ここでは、クラフトビールを選ぶときによく目にする代表的な5つのビアスタイルを紹介します。
| 種類 | 味わい・特徴の傾向 |
|---|---|
| ペールエール | ホップの香りと麦芽の風味をバランスよく楽しめる |
| IPA | ホップの豊かな香りや苦味を楽しめる |
| ヴァイツェン | フルーティーな香りと穏やかな苦味のものが多い |
| スタウト | コーヒーやカカオを思わせる香ばしい風味 |
| ラガー | すっきりとした飲み口のものから麦芽のコクを楽しめるものまで多彩 |
ペールエール
ペールエールは、イギリスで発展したエール系のビアスタイルです。
麦芽の風味とホップの香り・苦味のバランスを楽しめるものが多く、現在では世界各地のブルワリーでさまざまなペールエールが造られています。
IPAほどホップの個性が強くない商品も多いため、クラフトビールの味わいを知る最初の一杯としても選びやすいスタイルです。
IPA
IPA(インディア・ペールエール)は、ホップの香りや苦味を生かしたエール系のビアスタイルです。
使用するホップによって、柑橘類やトロピカルフルーツ、松、ハーブなどを思わせる多彩な香りを楽しめます。
IPAというと「苦いビール」というイメージがありますが、現在ではスタイルも多様化しており、しっかりとした苦味を楽しめるものから、ジューシーな香りを重視したものまでさまざまです。
ホップが生み出す香りや味わいの違いを楽しみたい方におすすめです。
ヴァイツェン
ヴァイツェンは、小麦麦芽を使用するドイツの伝統的なビアスタイルです。
一般的なヴァイツェンでは、酵母由来のバナナやクローブを思わせる香りと、小麦由来のやわらかな口当たりを楽しめます。
ホップの苦味が比較的穏やかなものが多いため、「ビールの強い苦味は少し苦手」という方にも試しやすいスタイルです。
スタウト
スタウトは、黒色から濃い褐色の外観を持つエール系のビアスタイルです。
焙煎した穀物などに由来する、コーヒーやカカオ、ビターチョコレートを思わせる香ばしい風味を楽しめるものがあります。
スタウトといっても味わいは一つではなく、ドライで比較的軽快なものから、甘味やコクのある濃厚なタイプまでさまざまです。
そのため、「スタウト=重くて苦い黒ビール」とは限りません。
ラガー
ラガーは、クラフトブルワリーでも広く造られているビールです。
クラフトビールというとIPAやペールエールなどのエール系をイメージする方もいるかもしれませんが、クラフトビールの中にもラガーはあります。
代表的なビアスタイルにはピルスナーやヘレス、デュンケル、ボックなどがあり、淡色ですっきりとしたものから、麦芽の豊かなコクを楽しめるものまで味わいはさまざまです。
普段から日本の定番ビールを飲んでいる方は、クラフトブルワリーが造るラガーから試して、ブルワリーごとの違いを飲み比べてみるのもおすすめです。
💡 サケセンワンポイント
クラフトビール=IPAやエールではありません。
クラフトビールは造り手の個性やこだわりを生かしたビールを表す言葉として使われており、その中にはペールエールやIPAなどのエール系だけでなく、ピルスナーなどのラガー系もあります。
クラフトビールを選ぶときは、「クラフト」という言葉だけでなく、ラベルなどに記載されたビアスタイルにも注目すると、自分好みの味わいを見つけやすくなります。
ビールの種類やラガー・エールの違い、さらに多くのビアスタイルについて詳しく知りたい方は、「ビールの種類」の記事もあわせてご覧ください。
クラフトビールの楽しみ方

クラフトビールには、すっきりとしたラガーから、ホップの香りを楽しむIPA、香ばしいスタウトまで、さまざまなビアスタイルがあります。
それぞれの特徴に合わせて温度やグラス、料理との組み合わせを工夫すると、香りや味わいの違いをより楽しみやすくなります。
ビアスタイルに合った温度で楽しむ
ビールは冷やして飲むイメージがありますが、すべてのクラフトビールに共通する最適な温度があるわけではありません。
すっきりとしたラガーは比較的冷たい状態で爽快感を楽しみやすく、香りやコクが豊かなエールでは、冷やしすぎない方が特徴を感じやすい場合もあります。
また、同じビアスタイルでも商品によって適した飲み方は異なります。まずはブルワリーやメーカーが推奨する温度があれば参考にし、飲みながら温度による香りや味わいの変化を楽しんでみるのもおすすめです。
グラスに注いで香りを楽しむ
クラフトビールは、缶や瓶から直接飲むだけでなく、グラスに注いで楽しむのもおすすめです。
グラスに注ぐことでビールの香りを感じやすくなり、色や泡立ちなどの見た目も楽しめます。
グラスにもさまざまな形があり、IPAやペールエールなど香りを楽しみたいビールでは、香りを感じやすい形状のグラスが使われることもあります。
最初から専用グラスをそろえる必要はありませんが、同じビールを缶や瓶から直接飲んだ場合とグラスに注いだ場合で比べてみると、感じ方の違いを楽しめるでしょう。
食事とのペアリングを楽しむ
クラフトビールは、料理との組み合わせによって楽しみ方をさらに広げられます。
ビアスタイルによって香りや苦味、甘味、コクなどが異なるため、料理の味わいに合わせて選んでみましょう。
組み合わせの一例として、次のようなペアリングがあります。
- IPA:スパイシーな料理、揚げ物など
- ペールエール:肉料理、グリル料理など
- ヴァイツェン:ソーセージ、サラダなど
- スタウト:チョコレート、チーズ、煮込み料理など
- ラガー:揚げ物、焼き鳥、魚料理など
ただし、同じビアスタイルでも商品によって味わいは異なるため、決まった組み合わせがあるわけではありません。
ビールと料理の味わいを合わせたり、あえて異なる特徴を組み合わせたりしながら、自分好みのペアリングを探してみるのも楽しみ方の一つです。
飲み比べて違いを楽しむ
さまざまなビアスタイルやブルワリーの商品を飲み比べることも、クラフトビールの楽しみ方の一つです。
例えば、ペールエールとIPAを飲み比べればホップの香りや苦味の違いを感じやすく、異なるブルワリーのIPAを比べれば、同じビアスタイルでも造り手によって個性が異なることがわかります。
また、同じブルワリーのラガー、ペールエール、IPAなどを飲み比べて、ビアスタイルによる違いを探してみるのもおすすめです。
最初から専門的な知識を覚える必要はありません。「香りが好き」「苦味が心地よい」「もう少し軽いものが飲みたい」など、自分が感じた違いを意識するだけでも、好みのクラフトビールを見つけやすくなります。
💡 サケセンワンポイント
クラフトビールを楽しむときは、冷たいうちにすべて飲み切らず、温度による変化にも注目してみましょう。
ビールによっては、グラスに注いでから少し時間が経つことで、冷たい状態では感じにくかったホップや麦芽、酵母などに由来する香りや味わいを感じやすくなることがあります。
最初の一口と少し温度が上がったときの印象を比べてみるのも、クラフトビールの楽しみ方の一つです。
クラフトビールだけでなく、ビールの温度やグラス、注ぎ方、料理との合わせ方について詳しく知りたい方は、「ビールの飲み方」の記事もあわせてご覧ください。
初心者におすすめのクラフトビールの選び方
クラフトビールにはさまざまなビアスタイルがあるため、「種類が多くて、どれを選べばよいかわからない」と迷う方もいるでしょう。
初めて選ぶときは、クラフトビールに詳しくなくても問題ありません。苦味・香り・コク・すっきり感など、自分が好きな味わいからビアスタイルを選ぶと、好みに合った一杯を見つけやすくなります。
苦味が苦手なら「ヴァイツェン」
ビール特有の苦味が苦手な方は、ホップの苦味が比較的穏やかなビアスタイルから試してみましょう。
なかでもヴァイツェンは、一般的に苦味が穏やかで、小麦由来のやわらかな口当たりと、酵母由来のバナナやクローブを思わせる香りを楽しめます。
「ビールは苦そう」というイメージを持っている方にも試しやすいスタイルの一つです。
ホップの香りを楽しみたいなら「ペールエール・IPA」
柑橘類やトロピカルフルーツなどを思わせるホップの香りを楽しみたい方には、ペールエールやIPAがおすすめです。
ペールエールは、麦芽の風味とホップの香り・苦味のバランスを楽しめるものが多く、クラフトビールの味わいを知る入口にも向いています。
一方、IPAはホップの個性をより楽しみたい方におすすめです。しっかりとした苦味を持つものだけでなく、香りを重視したタイプなどもあるため、商品説明を確認しながら選んでみるとよいでしょう。
すっきりした味わいが好きなら「ラガー」
普段から日本の定番ビールを飲んでいる方や、すっきりとした飲み口が好きな方は、クラフトブルワリーが造るラガーから試してみるのもおすすめです。
クラフトビールというとIPAなどのエール系をイメージしがちですが、ピルスナーやヘレスをはじめ、さまざまなラガーも造られています。
普段飲んでいるビールに近いスタイルから始めることで、ブルワリーや原料、製法による違いにも気づきやすくなるでしょう。
コクや香ばしさを楽しみたいなら「スタウト」
コーヒーやカカオ、ビターチョコレートなどを思わせる香ばしい風味が好きな方には、スタウトもおすすめです。
黒い見た目から「重そう」「苦そう」と思われることもありますが、スタウトの味わいは商品によってさまざまです。ドライで比較的軽快なタイプから、甘味やコクのある濃厚なタイプまであります。
色だけで判断せず、ラベルや商品説明にある味わいの特徴を確認して選んでみましょう。
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初めてなら「自分の好きな味」から選んでみましょう。
- 苦味が苦手 → ヴァイツェン
- 香りを楽しみたい → ペールエール・IPA
- すっきり飲みたい → ラガー
- コクや香ばしさが好き → スタウト
どのスタイルが初心者向けかは、好みによって変わります。「初心者だからIPAは避ける」と考える必要はありません。まずは自分が好きそうな味わいから選び、そこから別のビアスタイルへ広げていくと、クラフトビールの違いを楽しみやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. クラフトビールとは簡単にいうと何ですか?
クラフトビールとは、一般的に造り手の個性やこだわりを生かして造られるビールを指す言葉として使われています。
小規模・独立系のブルワリーが手がけるビールを指すことが多いものの、日本では「クラフトビール」について統一された法的な定義があるわけではありません。
また、クラフトビールは特定のビアスタイルではなく、ラガーやペールエール、IPA、ヴァイツェン、スタウトなど、さまざまなスタイルがあります。
Q. クラフトビールと普通のビールは何が違いますか?
クラフトビールと普通のビールが、法律上別々の種類に分類されているわけではありません。
一般的にクラフトビールは、小規模・独立系のブルワリーの商品も多く、造り手の発想を生かした多彩なビアスタイルや限定商品などが造られています。
一方、大手メーカーでは全国で販売される定番商品も多く、大規模な設備や品質管理によって安定して商品を供給できる強みがあります。
ただし、醸造規模や味、品質だけで両者を明確に区別できるものではありません。
Q. クラフトビールと地ビールの違いは何ですか?
クラフトビールと地ビールは重なる部分の多い言葉ですが、厳密に同じ意味と決められているわけではありません。
日本では1994年の酒税法改正によってビール製造免許に必要な最低製造数量基準が引き下げられたことをきっかけに、小規模な醸造所が各地に誕生し、「地ビール」という言葉が広まりました。
その後、日本でも「クラフトビール」という呼び方が広く使われるようになり、現在では造り手の個性やこだわりなどに注目して使われることが多くなっています。
どちらにも統一された法的な定義があるわけではないため、「地ビール=クラフトビール」と完全に同じものとして考えるよりも、背景や使われ方が異なる、重なりの大きい言葉として理解するとよいでしょう。
Q. クラフトビールは全部エールですか?
いいえ、クラフトビールがすべてエールというわけではありません。
クラフトビールは発酵方法やビアスタイルを表す名称ではないため、ペールエールやIPA、スタウトなどのエール系だけでなく、ピルスナーやヘレスなどのラガー系もあります。
そのため、普段からすっきりとしたラガービールを好んで飲んでいる方でも、クラフトブルワリーが造るラガーからクラフトビールを楽しめます。
Q. クラフトビールは苦いですか?
クラフトビールがすべて苦いわけではありません。
IPAにはホップのしっかりとした苦味を楽しめるものがありますが、ヴァイツェンのように苦味が比較的穏やかなスタイルや、すっきりとしたラガーなどもあります。
また、同じIPAでも苦味の強さや香りは商品によって異なります。
「クラフトビール=苦い」と考えるのではなく、ラベルや商品説明などでビアスタイルや味わいの特徴を確認して選ぶのがおすすめです。
Q. クラフトビールはなぜ価格が高いものが多いのですか?
クラフトビールは、一般的な大手メーカーの商品と比べて価格が高めの商品もあります。
その理由は商品によって異なりますが、比較的小規模な生産によって量産によるコスト削減が難しいことや、使用する原料、製造工程、流通方法などが価格に影響する場合があります。
また、使用量の多いホップや特徴的な原料、限定的な原料など、商品ごとのレシピによって原料コストが変わることもあります。
そのため、「クラフトビールだから必ず高い」「高いから高品質」とは限らず、商品ごとに価格や特徴を確認するとよいでしょう。
まとめ
クラフトビールとは、一般的に造り手の個性やこだわりを生かして造られるビールを指す言葉として使われています。
小規模・独立系のブルワリーが手がける商品を指すことが多いものの、日本では統一された法的な定義があるわけではなく、醸造所の規模だけでクラフトビールかどうかが決まるものでもありません。
また、クラフトビールはIPAやスタウトのような特定のビアスタイルを表す名称ではありません。ペールエールやIPA、ヴァイツェンなどのエール系から、ピルスナーなどのラガー系まで、さまざまなビールがあります。
クラフトビールの魅力は、多彩なビアスタイルや原料・製法、ブルワリーごとの個性を楽しめることです。地域の農産物などを取り入れ、その土地ならではの特徴を生かした商品もあります。
初めてクラフトビールを選ぶときも、「初心者だからこの種類」と決める必要はありません。
苦味が苦手ならヴァイツェン、ホップの香りを楽しみたいならペールエールやIPA、すっきりした味わいが好きならラガー、コクや香ばしさを楽しみたいならスタウトというように、自分の好みから選んでみるとよいでしょう。
さまざまなビアスタイルやブルワリーの商品を飲み比べながら、自分好みのクラフトビールを見つけてみてください。
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