日本酒の種類を詳しく解説|吟醸酒や純米酒が理解できる

日本酒の種類を詳しく解説

日本酒の種類や名前は、たくさんありますね。多すぎて最初は戸惑う方も多いと思います。でもいったん理解が深まれば、日本酒のラベルを見たり飲んだりするのが楽しくて仕方ありません。

この記事では、日本酒の種類をできるだけわかりやすくお伝えします。日本酒に興味を持ち始めた人が、この記事を読みでほしいですね。日本酒全般のことがすぐに理解できる内容なので期待してくださいね。

日本酒の定義

酒樽陳列

本来、日本酒は歴史のあるお酒です。日本酒とは、米と水を原料にして醸造したお酒のことをいいます。

清酒とは、読んで字のごとく清い、澄んだお酒のことで、清酒の対義語としては濁酒があります。濁酒とは、濾す作業をしない、一般的に「どぶろく」と呼ばれているお酒のことです。

ただ、世の中から考えると日本酒と清酒は、ほとんど同じ意味合いで捉えられているといっていいのではないでしょうか。厳密に言えば法律上は違いますので少し整理してみましょう。

種類酒税法での分類
日本酒清酒醸造酒
濁酒(どぶろく)その他の醸造酒

※どぶろくは、簡単に製造できそうですが、注意が必要です。家庭で製造や自家消費する場合でも、無免許製造した場合、酒税法によって罰せられます。製造には申告義務もあります。

清酒の定義

清酒の定義は、酒税法第3条第7項に規定されています。清酒は使用できる原料が決められているのです。工程では、必ず米を使います。そして「こす」という作業を必ず入れる必要があります。

【酒税法第3条第7項】

清酒 次に掲げる酒類でアルコール分が22度未満のものをいう。

イ) 米、米こうじ、水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ) 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの
(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(米こうじを含む。)の重量の100分の
50を超えないものに限る。)
ハ) 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

「こしたもの」とは、日本酒の製法の過程で、日本酒の基となるもろみを分ける作業のことをいいます。つまり、もろみを原酒と酒粕に分ける工程のことです。

「こす」は濾すと書きます。この場合の「濾す」と「無濾過」は違うんですね。通常のお酒は、濾した後のお酒に、おりびきといった作業があります。おりびきとは、酵母や小さな米の破片などの浮遊物を下に沈ませる作業のことです。おりびき後に残った不純物を取り除く工程があります。この作業を「濾過」という。「無濾過」に厳密な定義はありませんが、濾したお酒であって濾過をしないお酒になります。つまり酒造りに発生した成分を全て排除せずに、ある程度含ませたものを「無濾過」といいます。

清酒と地酒は違うのか

酒蔵玄関前

地酒は、厳密に定義がありません。地方のお酒のことで、その土地の酒蔵が造る日本酒のことだといっていいでしょう。

その土地の日本酒が地酒となると、俗にいう大手酒造メーカーも地酒というのでしょうか?大手メーカーは、一般的にいって地酒とは呼ばないと考えています。

おそらく、大手酒造メーカーとは、月桂冠、松竹梅、菊正宗、白鶴といった酒蔵のことでしょう。これらのメーカーは、京都府の伏見地区、兵庫県の灘地区で酒造りを行っています。この伏見や灘の酒は、江戸時代には大変重宝されたお酒になります。その流れから戦後も成長し、TVコマーシャルをはじめ全国流通するメーカーに躍進しました。

このような経緯から伏見、灘の全国区の酒は地酒というには難しいでしょう。しかし同じ地区内でも全国流通をしていない酒蔵のお酒は地酒と呼んでいいのではないでしょうか。伏見地区では、招徳、月の桂など製造にこだわる酒蔵も存在します。

地酒でも人気の山口県の獺祭は、2017年の帝国データバンクの統計調査では、売上げランキング堂々の8位を獲得。このデータでは、上位10社のうち、4社が兵庫県、2社が京都府の酒造メーカーがランクインをしています。残り2社は埼玉、東京の酒造メーカーです。

国税局が平成6年より、地理的表示(GI)の取り組みをはじめました。日本でも海外のように地域産ブランドを大切にしようとする制度になります。国が地酒を制度として応援する試みで期待をもてますね。

さらに、詳しいことを知りたい場合は、お酒の地理的表示(GI)を一覧で解説も合わせてご覧ください。

特定名称とは

酒米

特定名称とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒のことをいいます。それぞれの特徴を下記のようにまとめています。

白米とは、玄米からぬかや胚芽などの表層部を削り去った状態の米をいう。

精米歩合とは、白米と玄米に対する重量の割合のことをいう。

たとえば、精米歩合70%なら、玄米の表層部を30%削った白米のことをいう。

分類精米歩合原料特徴
吟醸酒60%以下白米、米麹、水、醸造アルコール果物や花の香味及び色沢が良好なものです。
純米酒規定はない白米、米麹、水香味及び色沢が良好なものです。文字どおり、お米だけで造られたお酒です。
本醸造酒70%以下白米、米麹、水、醸造アルコール香味及び色沢が良好なものです。

わかりやすく言えば、米だけで使ったお酒を純米酒、精米歩合60%以下の米と醸造アルコールで造ったお酒を吟醸酒、精米歩合70%以下の米と醸造アルコールで造ったお酒を本醸造酒と言います。

例えば精米歩合80%以下の米と醸造アルコールで造ったお酒は本醸造酒とは言えませんし、特定名称酒とも言いません。日本酒、清酒といった分類です。第3章の製造法の違いによる日本酒の種類には特定名称酒以外のお酒をまとめています。

さらに、この特定名称酒を原料米製造方法などの諸条件によって8種類に分類されています。

特定名称酒の種類

日本酒一覧

酒造りに使う米の割合は、およそ麹米用に2割、酒母用に1割、掛米用に7割を使用します。特定名称酒では、麹米の割合を15%以上を使うよう規定があります。

特定名称使用原料精米歩合香味等の要件麹米使用割合
純米大吟醸酒米、米こうじ50%以下吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好15%以上
純米吟醸酒米、米こうじ60%以下吟醸造り、固有の香味、色沢が良好15%以上
特別純米酒米、米こうじ60%以下(又は特別な製造方法)香味、色沢が特に良好15%以上
純米酒米、米こうじ香味、色沢が良好15%以上
大吟醸酒米、米こうじ、醸造アルコール50%以下吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好15%以上
吟醸酒米、米こうじ、醸造アルコール60%以下吟醸造り、固有の香味、色沢が良好15%以上
特別本醸造酒米、米こうじ、醸造アルコール60%以下(又は特別な製造方法)香味、色沢が特に良好15%以上
本醸造酒米、米こうじ、醸造アルコール70%以下香味、色沢が良好15%以上

引用元:「清酒の製法品質表示基準」(国税庁告示)による、高級酒に位置づけられる「特定名称酒8種」の分類

初心者の方は、この種類と精米歩合を見ると大変難しいと感じられると思います。吟醸や純米、本醸造、特別といった言葉が組み合わさったものとなっています。

ポイントは、純米酒には精米歩合の規定がない。吟醸と本醸造は精米歩合を意識するといいでしょう。吟醸酒には吟醸と大吟醸があり、それぞれ60%と50%以下の精米歩合が決められています。

純米吟醸酒、純米大吟醸酒については、純米酒に精米歩合の規定がない。吟醸、大吟醸の精米歩合を優先して60%と50%。特別純米と特別本醸造は特別な製法に60%以下の規定がつくと覚えやすいかもしれませんね。

このように特定名称酒があると飲み方も色々個性があって楽しめますよね。日本酒は温度帯を変える飲み方も特長のひとつです。是非、飲み方にもこだわってください。

製造の違いによる日本酒の種類

日本酒の樽酒

上記以外でも、日本酒には製造法の違いによる特徴のある日本酒があります。おもしろいのは、さきほどの特定名称以外の商品も含まれています。日本酒のバリエーションに驚かさせられますね。こちらも一覧としてまとめています。

種類特徴
生 酒もろみを搾っただけの、生まれたままの日本酒です。酒蔵でしか味わえなかったフレッシュな美味しさを、そのまま詰めました。純米生、吟醸生などいろいろなタイプの生酒があります。
生貯蔵酒搾り立ての日本酒をそのまま低温で貯蔵し、出荷時に一度だけ加熱(火入れ)しています。生の風味がそのまま残っていて、いつでもフレッシュでおいしいお酒です。
生詰酒火入れ貯蔵した酒は、程良く熟して品質が安定します。熟した酒を加熱(火入れ)せず、ビン詰め 出荷した日本酒です。
生一本自分の工場で造った自醸酒で純米酒です。
原 酒一般の市販酒は搾った日本酒に水を加えてアルコール分を調整してありますが、この酒は水を加えていないのでアルコール分は高く、18 ~20 度もあり、風味は濃醇です。
おり酒にごり酒に似ていますが、製法がちょっと違います。醪を目の細かい布で、ていねいにこしても、どうしても微細な麹と酵母などが混ざり、タンクの底に沈殿します。これを集めて、白く濁ったままにしておいたのがおり酒です。
高濃度酒アルコールの度数を高くしてある酒。24 度くらいから36 度くらいまであります。
長期貯蔵酒ワインでは100 年以上寝かせたものや、ウィスキーなどでは年代物がまろやかでこく があります。これに対し、日本酒は1 年で熟成します。しかし、日本酒の中でも吟醸酒のようなタイプの酒は、長期間貯蔵することでかえって味がまろやかになります。2 年、 3 年、あるいは5 年以上貯蔵された古酒がみられるようになりました。
樽酒樽に詰め樽の木の香りを生かした酒。樽の材料としては杉、なかでも吉野杉が最高とされています。
にごり酒醪を目の粗い布でこしただけの白く濁っている白濁酒。出荷のとき加熱、殺菌していないものを活性酒ともいい、酵母や酵素が生きたままです。
ソフト酒女性にも評判でアルコール分を押さえた軽い酒です。10 度から14 度前後で口当たりもソフトです。お酒がそれほど強くない方や、軽く酔いたいときにぴったりです。
発泡酒炭酸ガスを吹き込んだお酒。シャンパンのような口当たりなので、夏向き。アルコール分は低く8 度ぐらいです。
高酸味酒白麹などを使用して造った日本酒で酸味が強い。

最近では各酒蔵の商品開発の努力が著しく多様な商品がリリースされています。従来にはない日本酒も是非楽しんでください。

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👉 「日本酒の基礎はこちら → 日本酒完全ガイド」